アウトリガーニンフィング4

第三章 タックル&システム、参考文献

  • ロッド:何と言っても「長尺」が有利です、しかし8ft前後の竿で完璧なラインコントロールとタクティクスで攻める自虐的な楽しみも(?)あるかもしれません、標準的には10ft前後ではないでしょうか?道東では#4-6番が一般的かと思います。
    私もニンフロッドを更新しようとしましたが、なかなか手頃なロッドが無いですね「無いなら作っちまおう」と言うことで10ft#5番と#6番を作りました、一般販売もしてますので覗いて見てください。まあ道楽の竿作りですが、この地でバリバリに使える竿であることは保障します。

ニンフロッド&ウェットロッド craft S

  • リール:ロッドを高く保持するのが一応「基本姿勢」です、軽量な事が第一条件になります、ブレーキは何でも良いかもしれません(笑)メインで使っていたクリックディスクリールが壊れて久しいために、現在適当なのが無くて、重いディスクドラグタイプを使ってますが、一日の釣りは少々辛いです・・やはり軽いのが一番かな?
  • ライン:これはチョットばかり工夫の余地があります、フローティングラインは使うのですが、ラインをあまり出さずにロッドを高く保持しているのが「基本姿勢」ですから、いくらおもりがアンカーになると言っても、水面のラインは徐々にこちらに引き寄せられてしまいます、これはライン自体に「重さ」があるために仕方がないのですが、これはチョット困ります、実はこの釣り「アウトリガー」と言う錘を使っているため、別にフライラインでなくともキャスティングは可能なんです、やってみると分かりますが「モノフィラ」でもキャストは出来るのです・・さすがにモノフィラだと沈んでしまって釣りにくいのですが、うんと細いフローティングラインだと、キャスト後に、こちら側にラインの重みで引き寄せられることもなく、またある程度は水にも浮きますので、この釣りにはほぼ理想のラインになるのです、使いやすいラインをピックアップしてみます。
  • レベルライン: これはシューティングヘッドを投げるときに使う、#1とか#2のフローティングのランニングラインでOKです、15ydも入れておけば充分でしょう、小型軽量リールにもそこそこの量のバッキングを入れることが出来て一石二鳥です。
  • もう一つは、少々「伊藤家」的ではありますが、WFラインをひっくり返します。そうDTラインをひっくり返すように・・WFの前後を変えたら、当然細いランニング部分が前に来ますよね?その細い部分で釣りをするわけです、普段あまり使わない部分にも日の目を見せてあげましょう(笑)ただしそのままではイブニングライズには使えませんが・・やはり細い方が何かと良いわけですが、ノーマルのフローティングラインでも、もちろんOKです、ただ使いやすさでは、この釣りに特化したシステムの方が上だと思います。

    アウトリガー(ダウンリガー、ショット)

    これは今までに色々使ってみました(^_^;)一応自分なりのセオリーは出来ているつもりですが、何せ商品点数も多く、とても全ては試しているわけではないので、ざっと大まかに説明します。

  • 縒り付けるタイプ:その昔には「ツインストン」という超定番があったのですが、現在は入手が難しいようです、代わりにLeadなる、細い板状の(2-3ミリ幅)鉛を小さなスプールに巻いた物があるようです、これを適当な長さに切って、リーダーによりつけて使います(ティペットではありません)同じ重さの「ガンダマ系」の錘と比較した場合は、「沈み」自体は少々悪いと思いますが、長所も多いのです。まずは「根がかり」がしにくいのです、ガンダマ系の場合、その形状から沈みは良いと思いますが、石の間に噛み込む根がかりが多くて、底石の多い川では使用がためらわれます、その点「よりつけタイプ」は根がかりが少なく、フライのロストも少なく済みます。もう一点は、水の抵抗を比較的大きく受けるため、結果フライの泳ぎが良くなることです、これは「微妙なドラグ」などで魚を誘うときに威力を発揮します。そんなことで、私の主力はこの「よりつけるタイプ」となっています。普通は「ツインストン」で1-2枚の間です、Leadだと5-6センチ位が基準ですが、もちろん川によっては多少の増減があります。

  • ガンダマ(カミツブシ)系:すでに特徴は説明してしまいましたが、深いところ、流れが速い所などで、ワンポイントで追加して使う事が多いです、付ける部分はリーダーとティペットの接続部の「ヒゲ」につけます、こうすることで、石の間に噛み込んだ場合でも、強く引くとショットはずれて外れてくれます、まあ「捨て錘」です、リーダー本体やティペットには付けません。
  • 粘土系:大きく流れの緩いプールなどで、極小で使う分にはなかなか良かったりします、どちらかと言えばマーカーの釣りに適しているかもしれません。
    色々使ってみましたが、結局メインは「よりつけ系」に落ち着いてます、私の釣り方に合ってるのかな?でもアウトリガーの使い方も十人十色でいろいろです、かなり重いので「ドッボン」とやってる方もいますし、極小のガンダマを使って上手く流れに乗せていく人もいます、要は自分のスタイルが出来ればいいのかと思ったりもします、そのスタイルの幅があれば、それに越したことはないですけどね・・
  • リーダー&ティペット:リーダーはなんと言っても蛍光色に限ります、水面から上の部分は普通のリーダーでも見えますが、水面から下のリーダーの動きで当たりを取ることが多いので、蛍光色は必須です、当たりもそうですが、今何処をどう流れているか?が水面下である程度分からなければ、この釣りは成立しません、特にテーパーはどうでも良いのですが、色は重要です、私はHi-visを使ってますが、3号程度の蛍光色のモノフィラでも問題はなかったと思いました、ティペットについては特にありませんが、浮く必要は無いので、フロロカーボンのティペットを使うことが多いです、幾分スレにも強いようです。リーダーとティペットは私の場合だと、パーフェクションループでループトゥループで繋いでますが、前出の通りで、片方の「ヒゲ」は残したままにしておきます、ポイントによってはそのヒゲにショットを追加する事もあるからです。

ちなみに私のこの釣りの現在(2008年)の標準的なセットです

  • ロッド Craft S Bottom Line 10’07” #6wt
  • リール Lamson Verocity V2
  • ライン Level #2F
  • リーダー Hi-vis 9ft3x

ティペット フロロ3Xを50センチ前後

アウトリガー用と言うよりも遠投力があるので湖のシングルハンドスペイやSTヘッドの遠投にも使ってます。

  • フライ
    主に使っているのは、スタンダードなニンフです、そう変わった物は使ってないつもりです、代表的なのはヘアーズイヤー#10-14、フェザントテイル#12-14、ゴールデンフェザント#10-14あたりが打席数が多く、特別に目立ったハッチがあれば、それに合わせてみる事もたまにはあります(笑)
    ストーン、クロマダラ、カディスピューパ、フタスジモンカゲロウ、ヒゲナガあたりは私の貧弱なボックスのなかにも何本かは入ってます・・?入っていた事もあったかな・・(^^;)まあそんなに難しく考えなくても釣れますから・・(笑)昔はリアルなハッチマッチャーを好んで使っていたのですが、最近ではあまりフライを巻かなくなったこともあり(汗”)、スタンダードパターンばかりになっています、大事なのはフライよりも流し方や、フライの動きのほうじゃないかな?もし釣れている人がいたら、しっかりとウオッチングしてみてください、何かヒントがつかめるかもしれません。

参考文献と私のニンフフィッシング

といってもかなり古い書籍です、最近は新しい情報には興味が無くなってしまい、雑誌を含めあまりFF関連本は読まなくなりました(オイオイ!)、これらは現在は入手が難しいでしょうね、チャンスがあったら読んでみてください。

私が一番最初にニンフフィッシングを知ったのは、80年代はじめの頃、山岸行輝氏がロッキー山脈周辺の釣りを書いた、何かの雑誌の別冊本だったと思います、アウトリガーニンフィングがかなり詳細に紹介されていた本で、メンディングとラインスラックを使ってナチュラルドリフトで流す方法が書かれていました、「ニンフ」という言葉こそ知っていましたが、実際に釣りに使うにはあまりにも情報や知識がなかった私にはまさに福音とも言える一冊でした。残念ながら現在は手元にありませんが、ボロボロになるまで読んだ記憶があります。

すっかりニンフフィッシングにはまりこんだ私は、何冊かのニンフフィッシングや水生昆虫の本を読むことになるのですが、残念ながら現在あまり手元には残っていません(^_^;)現在では、もはや古典とも言える本ですが、それぞれ今でも充分通用する内容だったと思います。


ニンフの達人たち J.マイケル・ミゲル+レナード・M.ライトJr.

デイブ・フィットロック氏による美しいイラストが目を引きますが、水生昆虫の各ステージごとの説明や、それに対するタクティクスなどが、わかりやすく解説してあります、中にはソーヤニンフなど本物の古典?などもあったりします、「フリンフ」などという懐かしい言葉も出てきますが、内容は今でも充分実用的な記事ばかりです。

タシロニンフの世界 田代忠之・法之 共著

著者ご本人から頂いた本ですが、前作と合わせて、日本のニンフフィッシングを大きく前進させた本だと今でも思っています、一冊目の「水生昆虫とフライフィッシング」も持っていました、一冊目は代表的な水生昆虫の解説と、それに対するリアルハッチマッチャーのタイイングがメインだったと思います、こちらはさらに一歩進んで、水中撮影による各代表的なニンフの動きを具体的に解説してくれてます、そして水中のニンフの動きがいかに大切かを教えてくれます。

両氏がこの本の取材のために道東に長期滞在して、阿寒川や西別川を調査されていたときに、何度かご一緒させていただきました、実際の釣りは誘い出すと言うよりも、華麗にニンフを踊らせて「引きずり出す」と言った方が正しいかもしれません・・ナチュラルドリフトとアクションの加え方が連続写真で紹介されています、いまならDVDで見られるかもしれませんが・・

マルチストロボによる連続写真、思わず「へー」という声が出ます

この釣りのことを書き始めたのはいいのですが、内容が多岐に渡るため最終的に、説明不足の部分も多くなってしまいました、実際釣りに行ってみて、気が付いた点や分からなかった部分が当然出てくると思います、遠慮無くBBSかメールにででも書き込んでください、分かる範囲で回答したいと思います、内容によっては、追加記事としてUPされるかもしれません、Q&A集などが出来ればもっと面白いですけどね(笑)

では皆さん健闘を祈ります

Good fishing & Big One!


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