ロッドビルディングpart1コルクリングの接着

更新サボりっぱなしですね、ねたが無いので当工房のロッドビルディング工程を今日からほぼリアルタイムで掲載していきたいと思います、かなり突っ込んだ内容になると思いますので興味の無い方は読み飛ばしてください。

製作ロッド仕様
Traditional Outrigger 10’00” #5wt
グリップ:アップロックシガー、フロントウッドチェック付き
リールシート:アルミアップロック、アンボイナバールフィラー(紅白)
ストリッピングガイド:トラディショナルタイプ
ノーマルスネーク、ノーマルトップ。

予定価格¥32000円

初日最初はスパイン出しからコルクリングの接着までのエントリーです。

スパイン出し

スパイン出し

解り易くバットセクションの画像で。
バット側をガラス板の上で曲げながら転がして行きます、途中で転がりたくないとブランクが訴えてきますので、一番強く反発してくるところをマーキングしておきます、堅い筋があるような感じだと思います、諸説があり難しいところですが、ウチでは基本的にスパインの反対側にガイドを取り付けています、ただ其処にもう一本のスパインがあった場合はスパインを真横に向けてガイドを取り付けます、魚とのファイト中は素直に曲がって欲しいと言う願望からです。

ガラスの上で転がすのは、堅く平面性が高いからです、一番わかりやすいと思います。

リールシート接着

リールシート(アンボイナバール)

マスキングテープ
リールシートを取り付ける前にブランクとフィラーの内径をあわせてみます、ブランクが細い場合は画像のように、マスキングテープを巻いて遊びが出ないようにします、ここでなるべく正確にセンターを出しておきましょう、遊びが出るとセンターが狂って後々の作業に影響が出ます。ただマスキングテープ部分は大きな接着力は期待出来ません(一度失敗してます)間の谷間をエポキシで綺麗に埋めてしまいます。また大きく径が違う場合は専用のアーバーと呼ばれるスペーサーが用意されてることもありますので調べてみる手もありますね。

準備出来たらリールシートを取り付けます、これもまた色々手順があるのですが、今回のリールシートは、フロントフードがハンプバックなので先にフロントフードとフードが入るコルクをフィラーに接着して、そのままフィラーごとブランクに接着しました、このままエポキシの硬化を待ちます、長時間タイプを使いますので、ここで一晩おきます。
コルクリングの緑のマーキングはリールシートのポケットのセンターです、このマークをスパインの真裏のガイドマークに合わせますリールシート接着

コルクリング穴拡張

さて翌日の作業です。
まずコルクの準備から始めます、コルクをざっと見て大きな穴をチェック、なるべく表面に出ないように完成グリップを予想しながらコルクを配置していきます、このクラスのコルクでも結構な穴があります、あまり悩んでもしょうがないので結構テキトウに(オイオイ!)元々グレードの高いコルクなのでどう配置してもそう悪くは無いのが救いです、コルクだけはいいのを使いましょう!多少ヘタレなビルドでもコルクさえよければ竿はよく見えますから(滝汗)

グリップ部分ブランク外径を計ります、テーパーが付いてますが極力穴が大きくならないようにします、今回はブランクが9.7mm-9.2mmのテーパーに対して使ったドリルビットは9.5mmと9mmでした、丁度中間くらいでビットを変えてます、やや小さめくらいが丁度いいと思います、きつく感じてもエポキシが潤滑油のように効きます、穴の拡張はボール盤でチャッチャとやったほうが仕事は速いのですが、正確なセンターを出すため、旋盤で穴あけしてます、よってほぼ正確なセンター穴になります、センターが狂ってると仕上がったあとコルクが偏りしてひしゃげた形になります。ドリルビットはC型(コーンケープ)ショートビットが最適ですコルク穴あけ(拡張)

コルクリング接着

接着剤ですが、グリップ部分は二種類の接着剤を使ってます。
ブランク-コルクはエポキシで接着
コルク-コルクは木工ボンドを使ってます、強度を求めた場合はやはりエポキシに分がありますが、かなり薄く塗っても表面にはエポキシの黒い筋がコルクとコルクの間に出てしまいます、イマイチ美しくないので、芯は痩せの無いエポキシ、表面は仕上げの綺麗な木工ボンドがベストじゃないかと思ってます。コルク接着

エポキシ接着材ですが、当工房では主にコニシEを使ってます、接着力は数種類使ってみた中で最強、熱にも強く車中に放置されることもあるフライロッドには最適かと思われます、スクリューダウンロックのエンドポケットに安心して使えるのはこのコニシEくらいしか思い浮かびません。難点はリビルドが絶望的です、熱に強いので熱湯やドライヤー程度ではびくともしません、時間の無駄とブランクの損傷が怖いのでさっさと諦めてパーツをむしり取るのが正解です。他にはU40も非常に強力です、こちらは主にタレると困るところに使います、混合後もやや堅いペースト状なので用途によってはこちらも良く使ってます。

混合ですが、軽く混ぜた後に、軽くドライヤーで暖めます、柔らかくなって混ぜやすくなります、そのまま混ぜていきカスタードクリームのように滑らかな状態になったら使用OKです。

グリップ接着は間違っても5分硬化型は使ってはいけません、少しでももたつくと途中で固まってしまいます

エポキシ(コニシE)

コルク接着後(チクワ)

こんな感じですかね、そしてそのままクランプします。
コルククランプ

このまま一晩置き、さて明日は前半戦山場のグリップ削り出しです、こうご期待?更新は明後日かもしれません。


“ロッドビルディングpart1コルクリングの接着” への 3 件のフィードバック

  1. トーシロー より:

    >>正月休み「東」に遠征とか?
    いやいやいや、4月までは東に行きません(^^;;

  2. syo@stilog2 より:

    こんち!まいど
    そうこんな感じです、こうやってブランク上でグリップを作るのが、経年変化と言う意味ではベストです、中がスカスカになったりすることはまずありません。

    #6は多分今頃ハワイの上空あたりです(笑)通関やらなんやらでクリスマス頃にブランクが入荷すると思います。まさか!正月休み「東」に遠征とか?

  3. トーシロー より:

    なるほど~ こーやって組んでくんすかー
    ところで6番は?(^^;;

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