フライロッドグリップを削り出す
さて二日目の工程、今日はグリップを削りだしてラッピングまでの予定です。グリップの削り出しはロッドビルディングの醍醐味だと思います、一度やったら高確率でハマリます。
画像のようにセットしてます、ただこのセット方法は低番手にはオススメしません、トップ側をつかんで回すため、ブランクの強度の問題があります、画像では解り難いですが、チャック、ブランクの両方にマスキングテープを巻いてあえて滑りやすくチャッキングしてます。高速回転してるチャックに咥えられたブランクの細いほう、コルク側でやすりが引っかかって急激に止められたら・・タダでは済まされそうにありませんからね、またこの方向でセットするとグリップを握って見るのに都合がよいのもあります。では削ってみます。
皮むき(芯だし)
まず「荒目」ヤスリで「皮むき」します。とても大事な工程です。
ヤスリの動きは木工旋盤のチゼルの動きに似ています。ヤスリのどこか一箇所を固定してヤスリを半固定で動かします、こうするとヤスリの動きはある程度制御されます。例えばコルクが偏芯していた場合、ヤスリを完全に手に持った場合は偏芯に合わせヤスリが上下して、最初の偏芯の状態を保ったままコルクが小さくなっていきます。どこか一箇所を固定するとヤスリは殆ど上下しなくなりますので、最初どのような形の偏芯をしていても、この方法で全体を一皮剥けば回転軸を芯にした円柱が出来ます、芯の出てない状態でグリップの成型はかなり難易度が高くなると思われますので、この工程は重要な意味を持っています。手前に何かテキトウな台を置いて作業します。
成型
荒目で芯だしが終わったら、中目を使ってザックリとした形に成型していきます、完成予定サイズの+2、3mm位を目標にします。中目半丸が使いやすいのですがこれがなかなか手に入ら無くて苦労しました、結局金物屋で取り寄せてもらいました。
中目でこんな感じに成型します、ここからペーパーを使って目標のサイズまで削っていきます、ここでもう一度まわして芯が出てるのを確認します、ここでブレが出てたらそのままの形で小さくなっていきます。
ブレが無いのを確認したら#80,#120,#240と使っていきます。
#240でほぼ目標値まで削って今日はここまで。
仕上げ削りは#400,#600,水研ぎ#800と仕上げていきますが、その前にコルクの穴埋めをしますのでそれはまた後日と言うことになります。
完成(仕上げ前)
いつもなかなかイメージどうりには行かないですね(汗)微妙に違うんだよな・・・
センターの狂いは無いと思います。
サイクロン集塵機
ヤスリを使ってるうちはまだ良いのですが、ペーパー掛けをすると凄い量のほこりが出ます、最初は掃除機で吸ってもらってたんだけど、紙パックの消費が半端じゃないしすぐに目詰まりを起こします、そこで集塵機の採用にいたったわけですが、これがなかなかの優れものであります。
いたって単純な機構です、ホコリゴミは上部横から入ってクルクル回りながら落下、掃除機は真上から空気のみを吸い上げるという形で、市販品も多いのですが、何せ木工は大量のゴミが出ますのでこんなのを使ってます、ヨメからはなかなか評判が宜しいようです。ただ少々強度的に問題がありまして、吸引中にビッタリ吸い口を塞ぐと、ペリカンがベコリと凹んでしまいます、現在改良型の導入を検討中であります。
ワインディングチェックの製作
さてラッピングに取り掛かろうとしたところ、細めのチェックが品切れを起こしてました、ウッドチェック付きなのでノーマルなチェックじゃやや見た目しつこくなるので、最近は細いタイプを使っています。ニッケルシルバーの端材からついでなので3本ほど切り出しました。
バフ掛けはテキトウな棒にはめて青棒で気が済むまで磨きます、画像の棒は使えなくなった太目の絵筆の柄です。このバフ掛けも結構ハマリます(笑)
こんな感じです
グリップをペーパー掛けする際にウッドチェックのサンディングシーラーを落としてしまったので、シーラーの再塗装も済ませてあります、グリップ仕上げの時に一緒にペーパーを掛けてエポキシフィニッシュをします。
そんなことでやや時間を食ってしまったので、ラッピングは明日以降になります。